作者
K OMORI,Ikuo Aoike,Haruki Aoyagi,Ryuji Aoyagi,Kyuya Imai,Yoichi Iwafuchi,H Inn,Isei Ei,Kyoko Ei,Ran Ei,Takashi Ota,K Ohara,Saori Omori,Tsukasa Omori,Minoru Oya,Hideo Okajima,Masami Okada,Soujirou Ogino,Tadahisa Ogihara,Mizue Oda,M Katagiri,Akiko Kamimura,Ryo Karasawa,Mamoru Kawauchi,Shinji Kawashima,Kazuya Kawada,Hiroyuki Kishimoto,Gen Kuramochi,Noriaki Kobayashi,Daisuke Kondo,Takao Saito,Keiko Saeki,Nobuyuki Sakurai,Hiroki Sasage,Michiko Shimizu,Takashi Shimotori,Kensuke Suzuki,Koji Suzuki,Masashi Suzuki,Yasushi Suzuki,Kazuyuki Tasaki,Masaaki Nagai,Tsukasa Nakamaru,Hitoshi Nakayama,Ichiei Narita,Shinichi Nishi,Shin Hasegawa,Hiroshi Hayashi,Yoshihei Hirasawa,S Hirose,Noriyuki Honma,Yoshiaki Miura,Syoji Miyamura,Yoshikata Morita,Syogo Yata,Hajime Yamazaki,Seiichi Watanabe,Fumitake Gejyo
摘要
【目的】透析皮膚〓痒症の発症機序や病態に関しては未だ不明な点も多く, 種々の対策や治療が試されているにもかかわらず, 確実な治療法がないのが現状である. 今回私たちは, 維持血液透析患者における皮膚〓痒症の実態を明らかにし, 背景因子および各種臨床検査値との関連性を検討した.【対象と方法】新潟県内41施設の維持血液透析患者2474名 (年齢60.4±12.8歳, 透析期間8.2±7.5年 (平均±標準誤差)) を対象に, かゆみの程度 (5段階カテゴリー評価とvisual analogue scale (VAS: 視覚的尺度) による評価), 頻度, 部位, 時期, 睡眠障害の程度および治療内容についてのアンケート調査を実施した. さらに, 臨床検査値 (Ca, P, int-PTH, BUN, Cr, Ht) および透析膜の種類について各症例のデータを調査し, 〓痒症との関連を解析した.【結果】1801名 (72.8%) に〓痒の経験を認め, そのうち約75%が毎日〓痒感を訴えていた. 約半数に〓痒による睡眠障害を認めた. 背景因子では男性, 中高年層, 長期透析症例で, 臨床検査値ではCa≧9.7mg/dl, P≧5.6mg/dl, int-PTH≧360pg/ml, BUN≧81.2mg/dlの症例で中等度以上の〓痒を有する危険率が有意に高かった. 使用されている透析膜の種類 (ポリメチルメタアクリル膜のBG/BKシリーズ, セルローストリアセテート膜, ポリスルフォン膜) と中等度以上の〓痒を有する危険率には有意差を認めなかった.【結論】血液透析患者において皮膚〓痒症が高頻度にみられ, 睡眠障害などQOLに影響を及ぼしていることが確認された. 性別, 年齢, 透析期間, Ca, P, int-PTH, BUNと〓痒の発症に関連性を認めた.