新規非ステロイド性抗炎症薬，S—flurbiprofen 含有貼付剤の光安全性評価

S-flurbiprofen plaster（SFPP）は強力なシクロオキシゲナーゼ抑制作用を有する非ステロイド性抗炎症薬であるS︱flurbiprofen（SFP）を含有した新規の外用貼付剤である。外用薬は光にさらされる皮膚に適用されることから，光に対する安全性を評価することは重要である。そこで本検討ではSFPP の外用貼付剤としての適性を確認する目的でSFP およびSFPP の光安全性を評価した。評価は，SFP では紫外可視吸収スペクトル測定およびマウス線維芽細胞を用いたin vitro 3T3 neutral red uptake phototoxicity 試験（NRUP）により，SFPP はモルモットを用いた光毒性および皮膚光感作性試験により行った。SFPのモル吸光係数（測定波長：290～700 nm）は1000L╱（mol cm）未満で光吸収を示さず，NRUP では1000μg╱mL の高濃度においても光毒性はないと判定された。SFPP のモルモット光毒性および皮膚光感作性試験では，紫外線照射の有無にかかわらず，投与部位に皮膚反応は認められなかった。これらの結果は，本試験条件下において，SFP は光毒性および皮膚光感作性ポテンシャルを有さないこと，SFPP の光毒性学的リスクは低いことを示唆している。